父が 海に浮いた 話しの続きだ

(1) 六尺褌

で 船首から(大概 船は 中腹に穴があき 浸水して 船尾か 船首かを 下にして 縦に沈む)

飛び込んで 出来るだけ 船から離れ 船が沈む際に 出来る 渦から 離れないと

渦と 一緒に 海底に持って行かれる


渦に巻き込まれなかったら 沈没する船が 事前に 海に 流して呉れている 筏を 探して

その筏の 脇の 釘の棒見たいのに 救命胴衣の 胸の紐を クルッと 一巻きする

後は  六尺褌をほどいて 長ーく伸ばす  下着が無いと心配だが

 海は 赤道の側なら 左程 寒くは無い

ガダルカナル近海には サメが居る サメは 自分より 大きいものは 襲わない

で6尺でも 褌が 長く たなびいて 居れば 小さな 足が ブラブラしてるより 安心だと

後は 夜に成るのを 待つ

(2)制空権

 出航した船が 撃沈されたか どうかは 陸から見える

でも 救助は 夕方 薄暗くなってから しか 来ない

理由は 救助の小さな船でも 出航させると

上空から 敵の飛行機に 見つかったら 救助の船が やられて 危ないからなのだ

で 夕方に 日暮れに 成ってから 漸く 救助の船が 来る

ココで 煙草が役に立つ 煙草の火は 小さいが チラチラして 救助の小舟から 

見えるのだ  当然 救助艇は 煙草を 吸ってる 筏の側を通るのだ

(3) 救助艇は 停まって 引き上げてくれない

戦時中は 救助艇は 停まって くれない ユックリと 筏の側を 走るのだ

救助艇からは 紐の先に 竹の棒とか 浮き輪 とか 着いたものが ユックリ流れて来る

その 竹ノ棒や 浮き輪に しがみつけば 助かる

つまり 自分の筏から 救命胴衣の 紐を 外して ユックリと 回って来る

浮き輪か 竹の棒まで 泳いで しがみつかないと 助からないのだ

でも怖がって シッカリ 紐を 結んだ人は 助けがきても 紐が解けない

(4) 今の世の中だけだよ 海難救助隊が ドバーと 出てくるのは

学校の勉強だって

塾も 家庭教師も アンチョコも 問題集も あって 手取り 足取り 教えるのは

本当か嘘か 解らないよ

自分で やらないと 何も出来ないよ と 父は 良く 言ってた

コメント

梅子
2020年8月16日9:34

先人の体験談と知恵には頭が下がります
現代にも通じるのですね

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