野辺の送り

2007年12月31日
 猫のマリアのお墓を考えた、18年も暮らすと、猫でも家族だ。浅井家(け)はお墓が無い。浅井家のお墓は海にしてある。

 猫でも浅井マリアと名前を付けたのだから、焼いて骨を海に撒くべきなのだろう。でも猫に塩辛い海の水は合わない。瀬戸内の波は静かだが猫には可哀相だろう。

 骨を撒くなら生まれ育った隅田川の本所の割り下水なら猫でも上がってこれるかもしれない。せめて川だ海は止めようと考えて骨は諦めて、煙で漂ってもらう事にした。

 マリアも家族と一緒に広島に来たから、広島で10年を過ごした。広島の10年間はズット家の中にいたが、10年前の東京ではマリアはよく外出していた。

 その頃はマンションの6階に僕たちは住んで居た。マリアはそのマンションの6階のベランダの手すりを空中散歩のように歩いてアッチコッチのお部屋にはいり、可愛がってもらってた。

 お陰で隣もその隣とも仲良くなった。よく夕方になると、「お宅の猫ちゃんがベランダからーー」と書上(かきあげ)さんと言うお婆ちゃんが連れてきてくれた。

 マリアは海は似合わない、煙になってアッチコッチのお部屋を覗きまわるほうが似合っている。と思い骨を埋める事も、東京に持って帰る事も止めて、火葬場に持って行った。

 人間様には失礼だったが同じ火葬場で焼いて頂いた。猫も家族と一緒だから人間の足元で焼かれた方が僕たちの気が休まる。

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