昨日の授業で、銀色のアイシャドーをしている学生がいた。銀色のアイシャドーが僕の記憶を学生の頃に戻してくれた。
 僕のはじめてのデートは渋谷の喫茶店だった。彼女が入って来たとき、何か目が違うと思った。彼女はアイシャドーをしていた。彼女の緑色のアイシャドーが耀いていた。
 ミドリと言っても翡翠(ヒスイ)のように紺碧(コンペキ)のようにも見えた言葉が出なかった。青と緑と一緒に成った色だった。こんな色を身にまとえるなんて聡明な女性に違いない。デートできて良かったと珈琲を飲む手が震えた。
 僕を学生の頃に戻してくれた女の子に感謝するべきなのだが、何故か恥ずかしく些細な事をおこってしまった。
 なかなか教師になれない。

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